獣医が転職を成功させる方法・考え方|執刀数・年収アップ・復職の転職ガイド

獣医が転職を成功させる方法・考え方|執刀数・年収アップ・復職の転職ガイド

転職したい?獣医が転職活動を始める前に整理しておきたいこと

転職したいと思ったらすぐに求人を探して応募してもいいでしょう。しかしながら、転職活動を始める前に以下のようなことをしっかり考えておくことで、より満足度の高い転職が 可能になります。

(1)仕事、プライベートなどの現状の棚卸し

理想通りの転職を成功させるためには、まず現状をしっかりと把握することが大切です。

「やりがいは感じているけれど体力的につらくなってきた」、「結婚して引っ越したので勤務時間に負担を感じている」、「待遇が見合わなくなってきてモチベーションが保ちにくい」など、仕事面だけでなくプライベートや心理状況を踏まえた現状を書き出すなどして、棚卸ししてみましょう。

改めて整理することで、自分のことを冷静に把握できるでしょう。

(2)現職での悩みの明確化

現在の職場において「どのようなことが転職を考える要因になったのか」、「どういった悩みを抱えているのか」を理解しておくことも、転職活動前の準備には欠かせません。

そして、それらの原因や悩みは転職しなければ解決できないことなのかを改めて考えてみてください。もし転職しなくても改善される可能性があるなら、それを試してみるという手もあります。また、転職するだけでは解決できない問題だった場合、その根源を改善しない限り新しい職場でも同じ問題で悩まされることになってしまいます。

(3)転職が必要だと思った場合、求める条件

「現状の棚卸し」をして「現職での悩みを理解」した上でやはり転職が必要だと感じたなら、次は転職先への希望を具体的に挙げてみましょう。

規模、給与、業務内容や労働時間など、さまざまな条件をできるだけ細かくリストアップし、その中で「譲れない条件」と、できれば叶えたい「理想的な条件」とにわけていくと、転職活動時に優先するべき事項が明確になります。

獣医師の転職先候補の選び方、6つのポイント

自分の現状を理解した上で転職すると決めたら、次は「どこに転職するか」を決める段階。そのときにどのような観点で転職先候補を選べばいいのか、チェックするべきポイントをご紹介します。

ポイント(1) 動物病院か一般企業、どちらが理想条件を満たせるか?

獣医師の転職先は、動物病院などの「小動物診療」、家畜や産業動物の診察をおこなう「産業動物診療」、行政に従事する「公務員」、動物用医療品やペットフードの研究開発やペット保険などを扱う「一般企業」と幅広く、業務内容や労働時間などの条件も大きく異なります。

一般企業には、獣医師資格が必須ではないものの、あれば有利になるという会社も多くあります。動物病院のような臨床の現場よりも働く時間やペースを調整しやすい職場もあり、思い切って一般企業へ転職したほうが理想の条件を満たせることも。「自分が重視している条件に合うか」という観点で、幅広く検討してみてください。

ポイント(2) 休日日数や給与などの勤務条件

結婚した、子どもができたなどプライベートの変化で転職を考えている場合は、勤務時間や休日日数、残業量や給与といったことも譲れない条件のひとつになるかと思います。
動物病院ひとつとっても、規模や受け入れ態勢によって勤務条件が大きく変わってくるだけに、プライベートとのバランスをうまくとれる職場かどうか、事前にしっかり確認しましょう。

また、意外と見落としがちなのが福利厚生面。たとえ条件が良くても、いざというときに頼れない契約内容では、後々の不安材料になりかねません。基本条件とその他の条件をトータル的にみて吟味することが大切です。

ポイント(3) 提示されている条件が実態と合っているか

本来、提示する条件と実際の労働に違いがあってはなりません。しかし残念ながら、獣医師の数が少ないことで契約上の日数ほど休みが取れなかったり、休みを言い出しづらかったりする職場もあります。

働き始めて「話が違う」「こんなはずではなかった」とならないためにも、提示されている条件を鵜呑みにせず、実態が伴っているかも忘れず確認しましょう。

ポイント(4) 一緒に働く獣医師の人数や年次

転職時にはつい条件面にばかり目が行きがちですが、動物病院への転職希望の場合には、職場環境、特に一緒に働く獣医師の人数や年次は確認しておくべきポイントとなります。

というのも、既存の獣医師のキャリアや人数によって、自分が任される仕事内容が概ね決まってくるからです。「経験を積みたくて大きな病院へ転職したのに、先輩医師が多くて思うような経験ができない」といった事態を避けるためにも、事前に大体の人数や年次を確認しておきましょう。

ポイント(5) 症例の内容や量、自分がどんな症例をどれくらい執刀できそうか

動物病院への転職を希望する場合、「ポイント4」とあわせて、病院ごとの症例内容や執刀数にも目を向けてください。特定の専門領域を深めたいと思っているのであればなおのこと、自分の希望する領域の実績がどのくらいあるかの確認は必須。その上で、自分がそこで働いた場合どんな症例をどのくらい執刀できそうかをリサーチすると、現実的なビジョンを描きやすくなります。

ポイント(6) 決定前に実習ができるか?

院長の方針や動物病院の雰囲気、一緒に働く獣医師やスタッフとの相性など、面接だけではわからないことはたくさんあります。人間関係は、仕事のやりやすさにも大きく影響することだけに、軽視できない事柄です。

ある程度候補が絞り込めたら、その中でもっとも惹かれる転職先へ実習をお願いしてみましょう。動物病院の場合は、転職経験者の9割近くが事前に実習をおこなった経験があるというアンケート結果もあります。よほどのことがない限り、実習を受け入れてくれる動物病院の中から転職先を選ぶことをおすすめします。

転職先はどうやって見つける?獣医師の転職活動で代表的な4つの方法

(1)各病院の求人へ直接応募

獣医師の転職方法でもっとも多いのが「各病院の求人への直接応募」です。動物病院のホームページや院内ポスターなどで出されている求人情報を基に、求職者がメールや電話で直接応募します。

◆直接応募のメリット

  • 自分が知っている病院が求人を出しているかをすぐに確認し、応募できる

◆直接応募のデメリット

  • 提示されている情報が少ないことがある
  • 契約内容などで揉めた時に自分で対処しなければならない
  • 応募先の営業時間に合わせて、日中に連絡する必要がある
  • 給与交渉を自分でやる必要がある

(2)知人友人の紹介

次いで多いのが、「知人友人の紹介」による転職です。獣医師仲間や学会で知り合った獣医師などに紹介してもらう形で転職の希望を伝えます。

◆知人友人の紹介のメリット

  • 信頼できる人からの紹介であれば、お互いに話を進めやすい
  • 求人を出していない動物病院などに就職できることがある

◆知人友人の紹介のデメリット

  • 知人友人にとっての「いい職場」が自分にも「いい」とは限らない
  • 何かあった時に紹介者へ迷惑をかける心配がつきまとう
  • 得られる選択肢の数が少ない

(3)求人情報サイトから応募

インターネットが一般化した現在では、「求人情報サイトからの応募」も増えてきています。求人を出している動物病院や企業の情報がサイト内にまとめられているので、その中から気になるところを探し、サイトを通じて応募します。

◆求人情報サイトからの応募のメリット

  • 一度に多くの求人が見られて比較検討がしやすい
  • 写真や院長のコメントなどが載っているサイトの場合、ウェブ上で転職先の雰囲気を少し感じ取れる

◆求人情報サイトからの応募のデメリット

  • ネガティブな情報は載せていないことがほとんど
  •  初期登録などの手間がかかる上に、面接日時の調整などはすべて自分でやらなければならない
  • 情報が更新されていないなど、記載内容と実態が異なることがある

(4)転職エージェントの利用

「求人情報サイト」と似て非なるものが、「転職エージェントの利用」です。

転職エージェントに登録後、担当アドバイザーとキャリアプランのカウンセリングをおこなった上で、自分に合った転職先を紹介してもらいます。

◆転職エージェントの利用のメリット

  • プロのアドバイザーに相談に乗ってもらい、自分が本当に求めているものを引き出してもらえる
  • 市況感や他の獣医師と比較した場合の自分の相対的な立ち位置を教えてもらえる
  • 自分では見つけられない非公開の求人情報を紹介してもらえる
  • 面接日時の調整や給与交渉などを代行してもらえるので時間が節約できる

◆転職エージェントの利用のデメリット

  • エージェントとの相性が悪いと、エージェントとのやり取りが苦痛になる場合がある
  • 「転職先を自分で探して決めたい」「すでに行きたい病院が決まっている」という場合には余計な対応が増える

エージェントに相談すると、どんなメリットが得られる?

ご紹介した4つの方法の中ではもっとも馴染みの薄い「転職エージェントの利用」ですが、利用した人の満足度が高いという特徴があります。

以下で転職エージェントを利用するメリットをご紹介します。

(1)キャリア相談ができる

獣医師のあいだではまだ浸透していない「転職エージェントを利用しての転職」ですが、一般企業ではオーソドックスな方法のひとつとなっています。その理由のひとつが、プロのアドバイザーに「キャリア相談ができる」こと。特に専門職である獣医師の場合、転職に関する情報自体が少なく、転職の悩みを相談できる機会もほとんどないため、十分な情報を得ることが難しいのが現状です。

転職エージェントを利用すると、獣医師ならではのキャリアプランを見据えながら個別で相談ができるので、転職後のビジョンも明確になりやすく、自分の実力や専門領域、希望などに合った転職先を見つけやすくなります。実際に転職エージェントを利用した獣医師の多くが、もっとも価値を感じたサービスとして「キャリア相談ができる」ことを挙げています。

(2)転職活動にかかる時間の節約

働きながら転職先を探す場合、転職活動に充てられる時間が限られてしまうため、思うように進まないことも多いです。

転職エージェントを利用した場合、事前に希望を伝えておけば、キャリアアドバイザーが条件に合った求人を探してきてくれるので、自分で探すよりも短い時間で、いい条件の転職先を見つけられます。

(3)求人数が多い

より条件にマッチした転職先を見つけるにはどれだけ多くの求人情報を集められるかも関係してきますが、ひとりの力では限度があるでしょう。その点、求人情報を多数持っている就職エージェントなら、自分では探しきれなかった募集を紹介してもらえるというメリットがあります。

求人サイトにも多くの求人情報が載ってはいますが、公に募集をしている動物病院や企業だけしか掲載されていません。転職エージェントは、求人サイトに掲載されない非公開案件を持っているだけでなく、現時点で求人を出していない病院にも求職者ありきで確認するため、より多くの選択肢から転職先を選べます。

(4)市況感を理解しているプロのアドバイザーが適切な案件を選定してくれる

転職の際に基準とするのは現職の条件ですが、獣医師は専門職である上に働き方も多様なため、待遇面の適切な基準がわかりにくいという一面もあります。そのため、今のポジションや給与などが自身のキャリアに見合っているのかよくわからないという人も少なくありません。

転職エージェントは多数の獣医師の実績から妥当な条件を把握しているので、求職者一人ひとりに見合った条件の転職先を紹介してくれます。

(5)個別の面接対策ができる

転職エージェントでは個別の面接対策をおこなっているので、応募した動物病院や企業の採用担当者が面接で何を重視するのかを事前に知って、対策を打つことができます。これまで多くの求職者を排出してきた実績を基にしたアドバイスをもらえるため、自信を持って面接に挑めます。

(6)条件交渉ができ、実態との乖離も減らせる

転職エージェントを介した紹介となるため、自分では言いづらい希望条件をエージェント経由で伝えてもうことができます。逆に、「提示条件と実態があっているか」などの情報をエージェントから教えてもらうこともできるので、結果として満足度の高い転職を叶えることができます。

エージェントを利用した人の声・体験談

キャリアアドバイザーとの話から、自分にとって本当に大切な条件に気付けた

・Sさん(20代男性)の体験談

スキルアップするために、年間手術件数の多い大きな病院に転職したいと考えていました。しかし、ベットエージェント(獣医師専門の転職エージェントサービス)のキャリアアドバイザーと話をする中で、自分にとって本当に大切なのは、病院としての手術件数の多さではなく、執刀の機会が自分にどれだけ回ってくるかだと気付き、院長が若手を育てる方針の中規模病院に転職しました。今では月に10件程度の執刀を任されていて、着実にスキルアップできています。

子育てと両立できる転職先が1か月足らずで見つかった

・Kさん(30代女性)の体験談

子育てとの両立ができる環境を探していましたが、病院ホームページや求人サイトでは見つけられず、復職を諦めかけていました。そんな時に偶然見つけたのがベットエージェントです。試しに登録してキャリアアドバイザーに希望を伝えたところ、私の状況を理解したうえで採用したいと言ってくれる病院が1ヶ月足らずで見つかり、驚きました。子育てをしながら復職できて良かったです。

直接交渉をしてくれたおかげで、動物病院で働きながら大学病院の研修を受けられるように

・Uさん(30代男性)の体験談

専門性を高めるために、毎週2回大学病院で研修医をしながら働ける病院への転職を考えていましたが、人づてや求人サイトで探してもなかなか見つかりませんでした。ベットエージェントに登録してキャリアアドバイザーに相談したところ、やはり「そういった求人は現時点ではない」と言われたのですが、担当のキャリアアドバイザーが病院に直接交渉し、私の条件を受け入れてくれる病院を見つけてくれました。自分でこういった交渉をするのは、時間的にも心理的にも難しかったと思うので、転職エージェントを利用しなければ実現できなかったかもしれません。

経験が乏しくブランクがあっても復職できました

・Mさん(20代女性)の体験談

出産と育児で約3年のブランクがあり、かつ内科診療しか経験がなくて、復職する自信がありませんでした。まずは自分のような経験とスキルでも復職が可能か、第三者の意見がほしいと思い、ベットエージェントに登録しました。担当のキャリアアドバイザーに状況を伝えたところ、すぐにいくつかの動物病院を薦められ、結果的に無事復職することができました。

獣医師専門の転職エージェント
ベットエージェントはこちら