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新卒獣医師が動物病院を辞めたい理由4選

入社したばかりの新卒獣医師が辞めたいと思う理由には、何があるのか確認しましょう。
ここでは、新卒獣医師が辞めたい理由について以下4つを解説します。
- 入社時期が繁忙期で忙しい
- 教育環境が整っていない
- 労働環境が整備されていない
- 職場の人間関係がよくない
それぞれ詳細の解説をしていきます。
入社時期が繁忙期で忙しい
新卒獣医師の入社時期である4月は、動物病院にとって年間でもっとも忙しいシーズンです。具体的には、狂犬病予防接種とフィラリア予防のピークシーズンと重なるため、先輩獣医は新人教育に十分な時間を確保できません。
そのため、入ったばかりで右も左もわからない新卒獣医師は、以下のような業務を短期間で習得する必要があります。
- 基本的な院内システムの使用方法
- 診察補助
- 投薬
- 予防接種のやり方
慣れない環境で覚える業務も多く、繁忙期で院内にも緊張感があるため、新卒獣医師は辞めたいと感じてしまいます。
教育環境が整っていない
慢性的に獣医師が不足している動物病院もあるため、教育環境が整っていないケースも新卒獣医師が辞めたい理由です。
獣医師が不足していると、以下のように新卒獣医師にとっては厳しい環境になっている可能性があります。
- 即戦力として対応を求められる
- 教育担当が不在で業務を教えてもらえない
- カリキュラムが整っていない
動物病院の人員によっては、新卒獣医師の教育まで手が回らないケースもあるでしょう。
新卒獣医師は右も左もわからない環境で、即戦力として求められるため、プレッシャーが大きく辞めたいと感じてしまいます。
労働環境が整備されていない
動物病院によっては、労働環境が整備されておらず、長時間勤務や不規則な勤務シフトに対応する必要があるため、新卒獣医師が辞めたいと感じてしまいます。
たとえば、労働環境が悪化している例は以下のとおりです。
- 人員不足で拘束時間が長い
- 夜間や休日に患者対応が発生する
- 飛び込みの来院が多く休憩が取れない
労働環境が整備されていないと十分な休息が取れないため、業務のミスにつながります。また、プライベートが確保できず、モチベーションも保てません。
そのため、新卒獣医師は慣れる前に労働環境の厳しさに辞めたいと感じてしまいます。
職場の人間関係がよくない
職場の人間関係がよくないと感じるのも、新卒獣医師が辞めたい理由の1つです。
たとえば、院内のコミュニケーション不足により良好な関係を築きにくい、苦手だと感じる先輩や上司がいるなどが挙げられます。
ただでさえ新卒獣医師は、初めての現場で緊張していて、院内のシステムも把握できていません。
職場の人間関係が悪く、気軽に質問がしにくい環境であれば、辞めたいと考えてしまうでしょう。
新卒獣医師が辞めたいときの対処法3つ

せっかく就職した獣医師をすぐに辞めてしまうのはもったいないです。
そこで、ここでは新卒獣医師が辞めたいと感じたときの対処法について、以下3つを解説します。
- できたことに目を向ける
- 課題と対策を考える
- 先輩や上司に相談する
それぞれ詳しく解説していきます。
できたことに目を向ける
新卒獣医師が日々の診療をうまくできずに、辞めたいと感じたときは、できたことに目を向けてみましょう。
獣医師として働き始めた当初は、できないことや失敗が目につきやすい時期です。基本的な診療や問診に時間がかかり、先輩のサポートをしても失敗が多く指摘されて落ち込んでしまうケースもあるでしょう。
しかし、毎日業務をこなしていれば、必ず成長している部分はあるはずです。できるようになった仕事、上達した仕事に目を向けてみてください。
たとえば、1日の終わりに今日できるようになったことをノートに記録する、週単位で自分の成長を振り返るなどを意識的に行うとよいでしょう。
少しずつでも成長を感じられると、モチベーションが上がり、辞めたいと感じる時間を減らせます。
課題と対策を考える
新卒獣医師は、業務に慣れておらず失敗も多いため、ミスを引きずって辞めてしまいたいと落ち込むこともあるでしょう。
しかし、ミスは誰でもするものだと割り切って、反省して次回に活かせるようにすれば、辞めたいと思う時間も少なくなるでしょう。
たとえば、診療でミスしたと感じた場合は、対策を考えられるように記録をとりましょう。その場では対応できなくても、落ち着いた時間で対策を考えられます。
先輩や上司に相談する
新卒獣医師が抱える不安や悩みを一人で抱え込まず、先輩獣医師や上司に相談するとよいでしょう。
現在抱えている悩みや不安を先輩獣医師も、経験して乗り越えているためです。
業務に不安があるといった漠然とした相談ではなく、「処置に困った内容」や「判断に迷った症例」など話をまとめておくのがおすすめです。
また、定期的に面談を設けてもらうのもよいでしょう。週一回や月一回など、定期的に上司と相談できる時間をあらかじめ確保しておくと、毎回相談するタイミングを考える必要がありません。
業務の悩みや迷いも、相談できる機会にまとめて聞けるので、仕事に集中できます。辞めたいと考える時間も少なくなるでしょう。
新卒獣医師が辞めたいときに考えられるキャリア

新卒で就職した動物病院を辞める場合は、就職難にならないように、今後のキャリアについて把握しておきましょう。
ここでは、新卒獣医師が辞めたいときに考えるキャリアについて以下2つを解説します。
- 他の動物病院に転職する
- 獣医学関連の職種に転職する
それぞれのキャリアについて紹介します。
他の動物病院に転職する
現在勤めている動物病院を辞めたい場合は、他の動物病院への転職を選択肢に入れるとよいでしょう。
病院によって、診療方針や教育体制、勤務条件は異なり、転職で悩みや不安は解消できる可能性があるためです。
たとえば、地域密着型の一般的な動物病院では、飼い主との関係構築が重視され、二次診療施設ではより高度な医療技術を求められます。
転職を検討する場合は、複数の求人情報を比較して、より自分の目的に合った動物病院をみつけるのが重要です。
獣医師の転職に特化した「アニマルジョブ」には、各動物病院の設備環境や福利厚生などが詳しく紹介されており、複数の求人情報を比較できます。
勤務時間や休日、給与の内訳についての情報も記載されているため、入社後のギャップも防げるでしょう。
獣医学関連の職種に転職する
獣医師免許を活かせる職域は動物病院以外にも存在するため、キャリアを変更する際の選択肢を知っておくのが重要です。
たとえば、以下のような選択肢があります。
- 製薬会社への勤務
- 公務員獣医師として勤務
- 大学や研究機関などの研究職
上記の働き先は、動物病院と比較すると、動物と触れ合う機会は多くありません。しかし、労働環境や仕事内容を変更できるため、現状抱えている悩みを解決できる可能性はあります。
獣医師として働き始めたものの、仕事内容や労働環境に疑問や不安がある場合は、獣医師免許を活かせる他の職種へ転職するのもよいでしょう。
動物病院を辞める前に獣医師に向いているか再確認しよう

獣医師として働き始めたものの、日々の仕事のなかで「辞めたい」と感じるようになり、自分に獣医師が向いているのか悩む人もいるでしょう。
ここでは、獣医師に向いている人の特徴3つを紹介します。
- 動物が好きな人
- コミュニケーション能力に長けている人
- 学習意欲がある人
それぞれ詳しく解説します。
動物が好きな人
動物が好きな人は、獣医師として活躍するために重要な要素です。単なる可愛がり以上に動物への深い関心と理解があれば、動物の種類ごとに適切な診療を行えます。
たとえば、動物ごとの習性や性格の違いを理解して、表情や仕草のささいな変化から症状をくみ取れるため、早期発見・早期治療ができるでしょう。
新卒獣医師は、新しい環境で力を出せていないかもしれません。しかし、動物が好きな人は、環境に慣れてキャリアを積めば、獣医師としてキャリアアップしていけるでしょう。
コミュニケーション能力に長けている人
獣医師にとって、飼い主やスタッフとのコミュニケーション能力は、重要なスキルです。適切に情報を聞き取る能力が高い人は、獣医師に向いています。
たとえば、以下のようなコミュニケーション能力が必要です。
- 飼い主から動物の症状や生活習慣について正確に聞き取る
- 診断結果や治療方針について専門用語を避けて説明する
- 病院内のスタッフと適切に情報交換を行う
コミュニケーション能力が高く短時間で適切な説明ができる人は、飼い主からの信頼も得られて、スタッフとのやり取りもスムーズに行えます。
学習意欲がある人
獣医療の分野では、医学の進歩や新しい治療法の開発が日々行われているため、継続的な学習意欲がある人は、獣医師に向いています。
動物に対しての知識はもちろん、高度な医療技術の習得も欠かせません。日々の診療で遭遇する症例に対して、関連文献で調査したり、セミナーに参加したりなど知識を増やす必要があります。
知識を増やせば、飼い主やスタッフからも信頼されるため、仕事へのやりがいにもつながるでしょう。
まとめ|新卒獣医師が辞めたくなったときは環境を変えるのもおすすめ

新卒獣医師が入社するタイミングは、動物病院の繁忙期と重なるため、仕事に慣れる前に辞めたいと感じてしまいます。
ただし、動物病院によって労働環境や人間関係は異なるため、獣医師を辞めるのではなく、他の動物病院への転職がおすすめです。
職場を変えることで、抱えている悩みや不安を解消できる可能性が十分にあります。
転職を検討する場合は、複数の動物病院を比較して自分にあった条件を探してみるのがよいでしょう。
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