【種類別】獣医師の仕事内容7つを解説!自分に向いている職種の見つけ方も紹介

【種類別】獣医師の仕事内容7つを解説!自分に向いている職種の見つけ方も紹介

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「獣医師にはどのような仕事の種類がある?」
「選択肢を知り獣医師のキャリアを見直したい」

キャリアアップのために、さまざまな分野の獣医療に携わりたいと考える獣医師もいるでしょう。しかし、動物病院以外で獣医師が活躍できる場所がわからない人もいるかもしれません。

そこで本記事では、獣医師の主な仕事内容を7種類紹介します。動物病院の種類や自分に向いている職種を見つける方法も解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。

【種類別】獣医師数の割合を解説

獣医師の仕事内容は大きく分けると「小動物診療」「産業動物診療」「公務員」「その他の分野」の4つがあります。

令和4年の農林水産省の統計によると、種類別の獣医師数の割合は以下のとおりです。

獣医師の種類 割合
小動物診療 46%
産業動物診療 12%
公務員 26%
その他の分野 16%

最も多いのはペットの診療を行う「小動物診療」で、全体の46%を占めています。次いで「公務員」として働く獣医師が26%、そして「産業動物診療」は12%です。「その他の分野」には、動物園や水族館、民間企業などで働く獣医師が含まれています。

獣医師の仕事内容は多岐にわたり、それぞれ異なる役割と責任があります。

獣医師の主な仕事内容を7種類に分類

獣医師の主な仕事内容は、以下の7種類に分類できます。

  • 小動物診療
  • 産業動物診療
  • 公衆衛生
  • 動物園・水族館での飼育業務
  • 病理検査や感染症の研究
  • 医薬品や商品の開発・販売
  • 獣医師の教育(大学教授)

それぞれ詳しく解説していきます。

1.小動物診療

小動物診療は、犬や猫といったペットを対象にした獣医療の分野であり、動物病院で働く獣医師が主に従事しています。「小動物」という名称ですが、飼われている大型犬の診療も含まれます。

小動物診療の主な仕事内容は、以下のとおりです。

  • 予防接種
  • 健康診断
  • 病気の診断・治療
  • 手術
  • 飼い方やしつけの指導

小動物診療では、予防接種や健康診断、病気の診断、治療はもちろん、手術も担当するため、外科手術の技術も必要です。

さらに、ペットの健康状態を飼い主にわかりやすく説明し、適切なアドバイスを行うため、高いコミュニケーション能力が求められます。飼い主に正しい飼い方を指導する役割も担っており、幅広い知識が必要です。

小動物獣医師の年収を知りたい方は「小動物獣医師の平均年収は?低い理由や上げる方法も解説」を合わせてご覧ください。

2.産業動物診療

産業動物診療とは、牛や馬、豚、鶏などの家畜や農業動物を対象とした獣医療の分野を指します。産業動物診療は、動物の命を救うことよりも、人の健康や食の安全を守ることを目的とした診療です。

産業動物診療の主な仕事内容は、以下のとおりです。

  • 家畜の診療
  • 病気の予防
  • 家畜の繁殖
  • 飼育環境管理
  • 家畜飼育農家の指導

産業動物診療の場合、基本的に獣医師が牧場や農場を定期的に訪問し、動物の診察を行います。一頭が病気に感染すると爆発的に感染が広がる恐れがあるため、産業動物診療では病気の予防が重視されます。

また、動物の人工授精や受精卵移植など繁殖に携わる機会が多いのも特徴です。

なお、競走馬の健康管理も産業動物診療に含まれます。競馬場で働く獣医師は、競走馬の病気や外傷の治療、健康管理、出走馬の馬体検査などを行っています。

3.公衆衛生

公衆衛生とは、動物由来の感染症や疫病の予防・管理を行い、人間の健康を保つことを目的としています。

公衆衛生に該当する仕事内容は、以下のとおりです。

  • 食肉や食品の安全性確保
  • 生活関連施設の衛生確保
  • 人獣共通感染症の予防・研究

公衆衛生分野は、食の安全や感染症予防にまつわる業務がメインです。食の安全では、豚肉や牛肉、鶏肉といった食品の製造・販売施設や飲食店、学校給食施設などの調査・衛生指導を行っています。

また、動物の捕獲や収容、負傷している動物の保護にも携わっています。さらに、狂犬病をはじめとする人畜共通感染症を予防することも獣医師の重要な役割です。

4.動物園・水族館での飼育業務

動物園や水族館で働く獣医師は、野生動物や海洋生物の健康管理だけでなく、動物たちの習性や生態を理解し、飼育環境を整える業務も行っています。希少な動物種の繁殖や飼育に携わるため、常に勉強や観察が欠かせません。

また、飼育員と連携して、展示方法の改善や来園者への教育プログラムの策定にも関わることがあります。

これらの役割を通じて、動物園や水族館では教育的価値を提供し、動物たちの健康が豊かな生活を送れるよう支えています。

5.病理検査や感染症の研究

病理検査や感染症の研究も獣医師の仕事の一つです。

病理検査とは、動物から採取した細胞や組織を顕微鏡で観察し、病気の有無を診断する検査です。病理検査を行うことで、病名を特定し、効果的な治療や予防策を提案可能です。

感染症の研究を行っている獣医師は、病原体の特性や感染経路を調査し、感染拡大を防ぐための対策を考えています。これにより、動物だけでなく、人間の健康も守る役割を果たしています。

病理検査や感染症の研究は、科学的な知識や技術を活用して動物の健康を維持し、病気の予防に貢献する職業です。

6.医薬品や商品の開発・販売

医薬品や商品の開発・販売に携わる獣医師もいます。

獣医療の知識を活かして、動物向けの医薬品やサプリメント、飼料などを開発し、その効果や安全性の確認を行います。また、より多くの人や動物に商品を届けるためにも、市場調査やマーケティングの知識も必要です。

医薬品の開発・販売に携わっている獣医師が活躍している企業例は、以下のとおりです。

  • 製薬会社
  • 飼料会社
  • ペットフードメーカー
  • ペット保険会社

医薬品や商品の開発・販売に携わる獣医師は、動物や人の幸せと健康に貢献する重要な役割を担っています。

7.獣医師の教育(大学教授)

次世代の獣医師を育成するために、大学で講義を行っている獣医師もいます。大学教授として、獣医学の専門知識を教え、臨床技術や研究方法の習得を支援しています。

大学教授の主な業務は、以下のとおりです。

  • 講義や実習の実施
  • 学習計画の設計
  • 研究活動

学生に向けて、動物解剖学や生理学、病理学といった基礎知識を教え、実際の症例にもとづく臨床実習を行うことで、実践的なスキルを身につけられるよう指導します。

さらに、自身の研究活動にも取り組み、獣医学の発展に貢献しています。

獣医師が働く動物病院には3種類ある

獣医師が動物の診療を行っている動物病院には、以下の3種類があります。

  • 一次診療動物病院(かかりつけ医)
  • 二次診療動物病院(専門医)
  • エキゾチックアニマル専門の動物病院

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.一次診療動物病院(かかりつけ医)

一次診療動物病院とは、ペットに何かトラブルがあったときに最初に受診する、かかりつけの動物病院のことです。軽度の症状から急性疾患まで、幅広い症例に対応しています。

また、定期的な健康診断やワクチン接種を行い、病気の早期発見や予防をサポートする役割も担っています。一次診療動物病院は、動物と飼い主にとって身近な存在であり、信頼関係を築くことが大切です。そのため、コミュニケーション能力が欠かせません。

2.二次診療動物病院(専門医)

二次診療動物病院は、一般の動物病院では対応できない高度な医療を提供する専門施設です。獣医師が高度な知識や技術を駆使して、特定の分野に特化した治療を行います。来院者は、一次診療動物病院から紹介されるケースが多いです。

二次診療の診療科目には、以下のようなものがあります。

  • 眼科
  • 皮膚科
  • 腫瘍科
  • 循環器科
  • 消化器科
  • 脳神経科
  • 画像診断科

がん治療や高度な手術などの一次診療では難しい治療にも対応しています。二次診療動物病院には、CTやMRIなどの最先端の設備が備えられているケースが多く、最新の医療機器を扱う経験を積むことが可能です。

獣医師求人サイト「アニマルジョブ」では、二次診療動物病院の求人も取り揃えています。特定の分野に特化したいと考えている方は、ぜひ求人をチェックしてみてください。

3.エキゾチックアニマル専門の動物病院

動物病院の中には、エキゾチックアニマルに特化した医療を提供する病院もあります。エキゾチックアニマルとは、犬や猫以外の動物のことです。

エキゾチックアニマル専門動物病院が対応している動物の例は、以下のとおりです。

  • 鳥類
  • 爬虫類
  • ウサギ
  • ハムスター
  • ハリネズミ
  • モルモット
  • フェレット

これらの動物には特有の健康問題や飼育環境があるため、専門的な知識が必要です。また、診察においては、動物のストレスを最小限に抑える配慮も欠かせません。

エキゾチックアニマル専門の獣医を目指したい方は、「エキゾチックアニマル獣医師になるにはどうする?転職方法や年収を解説」も合わせてご覧ください。

獣医師が自分に向いている職種を見つける3つの方法

獣医師が自分に向いている職種を見つける方法は、以下の3つです。

  • 獣医師向けのセミナーやワークショップに参加する
  • ボランティア活動を行う
  • 他の獣医師から情報を得る

それぞれ詳しく解説していきます。

1.獣医師向けのセミナーやワークショップに参加する

獣医師が自分に向いている職種を見つけるために、獣医師向けのセミナーやワークショップに参加するのがおすすめです。イベントでは専門家から直接指導を受け、最新の獣医学に関する知識や技術を学べます。

また、同じ志を持つ獣医師との交流も深められ、自分とは異なる分野で活躍する獣医師から話を聞くことで、キャリアの視野が広がります。

実際の業務内容や働き方についてリアルな情報を得ることで、自分に適した職種をより具体的にイメージできるでしょう。興味のある分野や職種を見つける第一歩として、積極的に参加してみましょう。

2.ボランティア活動を行う

ボランティア活動も、獣医師が自分に向いている職種を見つける方法としておすすめです。動物保護団体や牧場といった動物関連施設のボランティア経験は、どの分野に興味があるかを知る手がかりになるでしょう。

また、ボランティアを通じて新しい人脈が築けるのも大きなメリットです。共通の目的を持つ人々と出会い情報交換を行うことで、キャリアの選択肢が広がります。近くで動物関連のボランティアが募集されていないか確認してみましょう。

3.他の獣医師から情報を得る

自分に合った職種を見つけるためには他の獣医師から情報を得るのもおすすめです。実際に他の分野で働いている獣医師の経験を聞くことで、職場の雰囲気や業務内容をより具体的に理解できます。

日常的に他の獣医師と積極的に交流し、獣医師同士のネットワークを活用しましょう。

まとめ|獣医師の種類は豊富!情報収集を行い適性を見極めよう

獣医師はさまざまな場所で活躍しており、仕事内容も多岐にわたります。また、動物病院にも3つの種類があるため、経験を広げるために、現在の職場と異なる種類の動物病院に転職するのも一つの選択肢です。

さらに、セミナーやボランティアに参加し、他の獣医師と情報交換することで、キャリアについて考えるよい機会となります。獣医師としてスキルを向上させたい方は、まずは情報収取を行い、自分の適性を理解した上で、新しい分野の獣医職に挑戦してみましょう。

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