目次
シザーの選び方
トリマーさんにおすすめするシザーを選ぶ基準は
- 自分の手に合っていること
- 使いやすい刃の長さであること
- メンテナンスが出来ること
です。
手に馴染んで使いやすく疲れない、ストレスを感じずにトリミングできることが上達への第一歩です。せっかく購入しても以前のシザーに戻ってしまうことがないよう、しっかり選びましょう。
シザーの種類
大きく分けて、シザーは3種類あります。
- カットシザー
- セニングシザー
- カーブシザー
と分かれており、カットシザーのみで全て仕上げるトリマーさんもいれば細い毛の多い犬種、太く硬い毛の多い犬種等でシザーを使い分けるトリマーさんもいます。また、カットする場所が足先や顔まわりなどの細かい部分であれば小さなシザーを使うなどサイズ選びも様々です。
使いやすいシザーを選ぶことはトリミングの時短にも繋がります。 スピードと仕上がりを重視することが必要な職業ですのでご自分が一番効率よくカットできるシザーを選ぶことが重要です。
おすすめシザー3選
東京理器「胡蝶」シリーズ
女性の手に馴染むハンドルと、程よい重量感、耐久性が人気のシザーです。カット・セニング・カーブと種類が揃っており、刃の長さも豊富です。 犬種に合ったシザーも取り揃えているので、自分のお店に多く来店する犬種などに合わせて購入しても良いかもしれません。
東光舎 「NIWATORI ニハトリ」「ドッグウェル」シリーズ
シザーのネジ部分にはオイルを含んだ樹脂がついているため、シザーの開閉をスムーズに行えます。 こちらも女性が持ちやすいハンドルを採用しております。スーパーアロイという特殊合金を使用したシザーは、切れ味はもちろん、耐久性も優れています。
ドリーム産業 シザー
シザーの指かけ部分(フィンガーリング)が小さめに設計してあり手の小さい方や指の短い方でもバランス良く持てるもの、硬度の種類、ハンドル部分の形など、自分の手にしっくり馴染んで使いやすいものを、こだわりを持って選ぶことができます。カット・セニング・カーブ・ミニと種類も豊富です。
お手入れ方法
お手入れ次第で30年同じシザーを使う方もいらっしゃいます。 手入れを怠らず大切に扱うことも、お気に入りシザーを持ち続ける秘訣です。
セルフお手入れ
1.丁寧に拭く
柔らかい布で、シザー全体を綺麗に拭き上げます。
水分やシャンプーなどの薬剤がシザーに残っていると刃がもろくなる原因になります。特に薬剤がついてしまった場合は布で拭ききれないこともありますので、
そんな時は少しアルコールを含ませて拭き落としましょう。
また犬種によっては細く柔らかい毛がシザーにひっかかって残ることも。セニングシザーなどは特に、毛を全て取り除き磨き上げることが大切です。この処理はシザーを使い終えたら毎回行いましょう。
2.セーム革で拭く
使い続けていると返り刃が出てきますので、セーム革で拭き取ります。 セーム革には油を吸収する性質もあるので目に見えない油を含んだ汚れを取り除きます。 この処理もシザーを使い終えたら毎回行うことが望ましいです。疎かにしてしまうとなかなか返り刃が取れなくなってしまい、ひどい時には除去できなくなってしまいます。
3.オイルを塗布する
お手入れの一番最後はオイルの塗布を行います。 刃にオイルの膜を作ることによって汚れがつきにくく、水分に触れない状態を保ちます。
4.ネジの調整
シザーのネジ部分で開閉のしやすさを調整します。毎日行う必要はありませんが、開閉に違和感が生じたときやひと月に一度程度確認してみてください。
ネジが固く締まりすぎていると手に負担が大きく、使い続けると手を痛めてしまうことも。ネジが緩んでいると手に力を入れて調整してしまい、なかなかうまく切れず疲れやすくなります。
定期的に調整し、必要であればオイルをさしましょう。
さらにネジを外して一度分解し、間に挟まっている汚れやゴミ、古いオイルなどを取り除くメンテナンスをすることによってより長持ちさせることができます。
プロに依頼
購入したメーカーによっては、一回1,500円〜3,000円程でシザーを研いでくれるサービスもあります。 またハサミを研ぐ専門の業者もあります。丁寧に扱っていても気づかぬうちに汚れやサビがついてしまうので、年に1度くらいはプロに調整してもらうことも大切です。
購入前に無料のお試しレンタルを活用
「インターネットの通信販売で買ってみたら自分の手のサイズには合っていなかった」 「思っていたよりも重たく動かしにくい」 「以前使っていたものと違いすぎて上手く扱えない」 など返品や交換を繰り返す前に、一度無料のお試しレンタルをしてみましょう。
ほとんどの会社がお試しレンタルを行なっています。 郵送で送ってもらったり、営業の方が持ってきてくれたり、ドッグショーなどで出展企業さんに持たせてもらうことも可能です。 試し切りをしながら、予算や好きな刃の長さを伝えて、プロの方に選んでもらうのも良いと思います。
最後に
人気のトリミングシザーは平均20,000円〜80,000円と決して安い買い物ではありません。メンテナンス次第では長期間の使用ができ、大切な仕事のパートナーとなるでしょう。
学校を卒業したての方は、ベテランのトリマーさんがどんなシザーを使ってトリミングを行なっているのか、コツや技を学びながら先輩トリマーさんに聞いてみるのも良いと思います。
現役トリマーの方も、改めてご自身のシザーを見直してみて、自分にとってベストなシザーを探してみるのはいかがでしょうか?
焦らずに時間をかけて自分に合った大切なシザーを選びましょう。