目次
そもそも時短勤務とは
時短勤務とはどのような勤務なのか、確認しておきましょう。
ここでは、時短勤務について以下2つを解説します。
- 時短勤務(短時間勤務制度)の基準
- 時短勤務の条件
それぞれ詳しく解説するので、参考にしてみてください
時短勤務(短時間勤務制度)の基準
時短勤務は、育児や介護と仕事の両立を支援する目的で法律により定められた制度です。時短勤務制度によって勤務時間が1日6時間に短縮されます。
動物病院での時短勤務を例にあげると、通常の診療時間が9時から18時の場合、時短勤務制度を利用すると、10時から16時のように勤務時間を調整できます。
制度を利用するためには、勤務先への申請が必要です。獣医師の場合、診療時間の調整やスタッフとのシフト調整が必要となるため、事前に職場へ確認しておきましょう。
時短勤務の条件
獣医師が時短勤務制度を利用するには、育児・介護休業法で定められた一定の条件を満たす必要があります。条件を満たしていれば、正社員だけでなく、パートや契約社員なども時短勤務できるのが特徴です。
時短勤務を利用できる期間や回数は、以下のとおりです。
- 育児:子どもが3歳の誕生日を迎えるまで利用できる
- 介護:利用開始から連続する3年以上の期間で、2回以上利用できる
参考:厚生労働省「短時間勤務等の措置について」 「改正法の下での短時間勤務制度について」
職場によっては、上記期間を過ぎても時短勤務が利用できるケースもあります。自分が働いている職場の時短勤務制度がどのようになっているのか、一度確認してみるとよいでしょう。
獣医師が時短で働くメリット
獣医師が時短勤務で働く場合のメリットについて、ここでは以下の2つを解説します。
- 仕事と家庭を両立させやすい
- 獣医師のキャリアを継続できる
それぞれ解説するので、時短勤務を利用する際の参考にしてみてください。
仕事と家庭を両立させやすい
時短勤務を選択すると、獣医師として働きながら、家庭での時間を十分に確保できるのがメリットです。
たとえば、動物病院での標準的な勤務時間である9時から18時を、9時から15時に短縮できれば、子育てや家事の時間を確保しやすくなります。
時短勤務を選択することで、「仕事も頑張りたい!子どもとの時間も確保したい!」という気持ち両方をクリアできます。
獣医師のキャリアを継続できる
時短勤務は、家庭の事情で一時的に勤務時間を調整する必要がある獣医師にとって、キャリアを維持できるのもメリットといえます。
家庭環境の変化を理由に完全に職場から離れてしまうと、ブランクが空くことで臨床経験が積めずに復帰が難しくなります。しかし、時短勤務を活用すれば、ブランクが空かないため、キャリアが途切れることなく継続できるでしょう。
獣医師としてのキャリアを考えた場合でも、時短勤務を利用するメリットがあります。
獣医師が時短で働くデメリット
獣医師が時短で働く場合、以下のようなデメリットがあります。
- 給与が減る
- スキルアップをしにくい
メリットとデメリットのどちらも把握したうえで、時短勤務を上手に利用してみてください。
給与が減る
時短勤務を選択すると、勤務時間の短縮に応じて給与や賞与が減額になるのがデメリットです。獣医師の場合、基本給に加えて資格手当や診療手当なども含まれるケースがあるため、時短勤務をする場合は、慎重に検討しましょう。
実際の給与減額の割合は、勤務時間の短縮幅や手当の種類によって変わってきます。
たとえば、フルタイムの8時間勤務から6時間勤務に変更した場合、基本給は勤務時間に応じて約25%程度減額されるのが一般的です。
時短勤務への移行を検討する際は、給与の減少を考えて家計の収支バランスを見直してみてください。
スキルアップがしにくい
時短勤務では、フルタイム勤務と比較して診療に携わる時間が短くなるため、獣医師としての経験を積む機会が限られるのは、デメリットといえます。
たとえば、フルタイムと比較すると、緊急性の高い症例や複雑な手術など、高度な医療行為に関わる機会は減少してしまうので、獣医師としての専門的なスキルアップする機会が減ってしまいます。
時短勤務を選択する際には、自身の今後のキャリアも考えながら検討しましょう。
獣医師が時短勤務しやすい職場を探す方法
時短勤務を上手に活用するには、職場選びが重要です。ここでは、時短勤務がしやすい職場を選ぶ方法について以下3つを解説します。
- 現在の職場で相談する
- 獣医師に特化した転職サイトを利用する
- 一般企業向けの転職サイトを利用する
それぞれ、詳しく解説するので参考にしてみてください。
現在の職場で相談する
時短勤務を利用する場合、まずは現在勤務している動物病院での制度利用をおすすめします。
慣れた環境で働き続けられると、患者との信頼関係や、同僚とのチームワークを維持できるためです。また、通勤時間や業務の進め方なども把握できているので、より現実的に時短勤務の計画を立てやすくなります。
時短勤務を考えている人は、まず現在働いている職場に相談してみましょう。
獣医師に特化した転職サイトを利用する
現在働いている動物病院が「時短勤務制度の取得実績がない」「同僚や先輩の理解を得にくい環境である」などの場合は、他の動物病院への転職を検討してみるとよいでしょう。
獣医師に特化した転職サイトを利用すれば、複数の募集を比較検討できます。
たとえば、獣医師特化の転職サイトである「アニマルジョブ」で、時短をキーワードに入れて検索してみると、自分の条件に適した職場を抽出できます。
検索結果から、どのような職場で時短勤務ができるのかイメージしやすいので、ぜひ活用してみてください。
一般企業向けの転職サイトを利用する
動物病院特化のサイトだけでなく、一般企業向けの転職サイトを利用するのもよいでしょう。獣医師免許を活かせる一般企業もあるので、選択肢に入れてみてください。
たとえば、製薬会社や医療機器メーカーなどでペットを対象にした事業を行っている企業があります。動物病院でなくても、動物に携われる仕事は存在するので、検索してみてください。
時短勤務の取得実績がある求人も掲載されているため、一般企業向けの転職サイトも活用してみるとよいでしょう。
時短勤務可能な職場を探すときに注目したいポイント
時短勤務が可能な職場を探す際は、以下の点に注目してみてください。
- 時短勤務可能の表記があるか
- 他にも時短勤務で働いているスタッフはいるか
- フルタイム勤務に戻れるか
- 給与体系はどうなるのか
上記の点を意識すると、より自分に合った職場を選択できるので、それぞれ詳しく解説していきます。
時短勤務可能の表記があるか
時短勤務が可能な職場を探すときは、「時短勤務可」「短時間勤務制度あり」「働き方相談可」などの表記があるか見ておきましょう。
募集要項に時短勤務可能の表記があれば、転職を検討している職場が時短勤務制度に対して前向きかどうかがわかります。
まずは、応募する際に「時短勤務可能」の文言があるかを確認して、ない場合は問い合わせたうえで転職を検討しましょう。
他にも時短勤務で働いているスタッフはいるか
職場を選ぶ際は、すでに時短勤務で働いているスタッフがいるかどうかを確認しましょう。
時短勤務者が在籍している動物病院では、シフト調整の仕組みが確立されており、周囲のスタッフの理解も得られやすい環境が整っているためです。また、先輩の時短勤務者から具体的なアドバイスを得られる可能性もあります。
そのため、面接時には時短勤務者の具体的な仕事内容や勤務時間帯について質問してみてください。
たとえば、勤務時間帯の設定方法や急患対応の分担方法、休暇取得の仕組みなどを確認すると、転職したあとのイメージをしやすいでしょう。
フルタイム勤務に戻れるか
時短勤務で働く場合は、フルタイム勤務に戻れるかどうかも確認しておくとよいでしょう。
時短勤務を選択した理由が解消された際、給与面やキャリアを考えるとフルタイム勤務で働きたいケースもあるためです。
たとえば、育児が理由だった場合、子どもが入学して学校にいる時間が長くなれば、フルタイムに戻れます。
その場合、フルタイムに戻ったときの勤務条件も事前に確認しておくとスムーズに移行できるでしょう。
給与体系はどうなるのか
時短勤務を選択する際は、給与体系について確認しておきましょう。給与は勤務時間の短縮に応じて減額されますが、計算方法は職場によって異なるためです。
たとえば面接時に、以下のような項目を確認してみてください。
- 資格手当や診療手当などの各種手当
- 賞与の評価基準
- 昇給や昇格の仕組み
フルタイム勤務と時短勤務でどの程度違いがあるのか、評価基準を明確に設けているのか把握しておくと、実際に転職した際の認識のずれをなくせます。
獣医師の時短勤務以外の働き方
育児や介護と仕事を両立させたい場合、時短勤務以外にも以下のような選択肢があります。
- パート・アルバイトで働く
- 家から近い動物病院への転職
- フレックス制を採用している動物病院への転職
それぞれ詳しく解説するので、時短勤務を検討している方は参考にしてみてください。
パート・アルバイトで働く
正社員で時短勤務を選択するのではなく、パート・アルバイトのように時給で働く選択肢もあります。
パート・アルバイトは、シフト勤務により好きな時間で働けるため、家庭の時間を増やしやすいのがメリットです。一方で給与は下がってしまう可能性が高いため、生活スタイルに合わせて働く頻度を調整する必要があります。
より家庭を重視したい場合は、パート・アルバイトでの勤務も選択肢に入れてみてください。
家から近い動物病院への転職
家から近い動物病院に転職すると、往復の通勤時間を大幅に削減できるため、その時間を家事や育児などに活用できます。
そのため、時短勤務に頼らずに通勤時間を削減するのも選択肢の1つです。
たとえば、自宅から20分以内で通勤できる職場や、保育園と距離が近い職場を選択するのもよいでしょう。
フレックス制を採用している動物病院への転職
時短勤務ではなく、フレックス制を採用している動物病院への転職も一つの方法です。
フレックス制とは従業員が定められた総労働時間内で、始業・終業時刻を自由に設定できる制度です。
職場によってどの程度自由に働けるかは異なりますが、調整によって時短勤務を利用しなくても家庭と仕事を両立できる可能性があります。
また、フレックス制は時短勤務に比べると、給与が減額になりにくいのもメリットです。
時短勤務を考える際は、フレックス制を採用している動物病院への転職を検討してみるのもよいでしょう。
まとめ|転職サイトで時短勤務可能な職場を検索しよう
獣医師として働いており、子育てや介護などで、フルタイムで仕事をするのが困難な場合は、時短勤務を検討するとよいでしょう。
勤務する動物病院によって、時短勤務に対してのスタンスは異なるため、各動物病院の条件を事前に確認するのが重要です。
もし、現在の動物病院で時短勤務しにくい場合は、動物病院に特化した転職サイトである「アニマルジョブ」を利用すると自分に適した職場を見つけられるでしょう。
アニマルジョブは、複数の動物病院をまとめて比較できるため、転職先の職場を検討しやすいです。
もし、時短勤務のために転職を考えているなら、アニマルジョブを活用してみてください。