目次
獣医の仕事で大変なこと6選
獣医の仕事で大変なことは、以下の6つです。
- 動物の命が自分の治療にかかっている
- 飼い主への誠実な対応が求められる
- 救急の現場では素早く判断しなければならない
- 仕事量の割に給料が安い
- 1日中立ちっぱなしのため体力がいる
- 十分な勉強時間がとれない
それぞれ詳しく解説していきます。
1.動物の命が自分の治療にかかっている
獣医の仕事で大変なことの一つは、動物の命が自分の治療にかかっているという責任の重さです。一つの治療ミスが動物の命に直結することもあるため、常に強いプレッシャーの中で働かなければなりません。
とくに新人獣医師は、勤務後すぐに「先生」と呼ばれ、診察を任されることもあります。 診察する動物も多種多様なので、最善の治療法を探し続ける必要があります。それでも、動物の命を救えたときに感じる喜びや感謝は、この職業ならではの大きなやりがいでもあるでしょう。
2.飼い主への誠実な対応が求められる
飼い主への誠実な対応が求められる点も、獣医の仕事で大変なことの一つです。獣医は飼い主に対して、ペットの病状をわかりやすく、かつ正確に説明する責任があります。
とくに、ペットの状態が重症である場合、飼い主は不安でパニックに陥ることがあります。そのような場面でも、獣医師は冷静さを保ち、飼い主を安心させるために適切な言葉を選んで説明しなければなりません。
誤解を招くような説明や感情的になりすぎた対応をすると、飼い主から不信感をもたれることもあります。誠実で信頼できるコミュニケーションが、飼い主の信頼を得るポイントです。
3.救急の現場では素早く判断しなければならない
獣医師の仕事では、緊急で運ばれてくる動物に素早く対応しなければならない状況もあります。そのため、到着した瞬間に動物の状態を確認し、最適な治療法を素早く判断して実行する能力が必要です。
多くの選択肢がある中で、どの処置が最も効果的かを瞬時に見極める力は、豊富な経験と知識がなければなりません。
4.仕事量の割に給料が安い
獣医師は日々多くの業務をこなしていますが、それに見合った報酬が得られるとは限りません。厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、医師・歯科医師・獣医師の平均月収は以下のとおりです。
職種 | 平均月収 |
医師 | 109万円 |
歯科医師 | 69.5万円 |
獣医師 | 49.1万円 |
このデータから、獣医師の給与水準は他の医療職と比較すると明らかに低いことがわかります。とくに、人を診療する医師とは給与の差が約1/2となっており、責任の重さに対して給料が安すぎるといえるでしょう。
5.1日中立ちっぱなしのため体力がいる
獣医師の仕事は、動物の診察や手術、飼い主への対応などで1日中立ちっぱなしで動き回るため、体力が必要です。立ち仕事のため、足腰に負担がかかり、慢性的なむくみや腰痛に悩まされることも少なくありません。
とくに予防接種が重なる繁忙期は、長時間立ち続けることになるため、疲れが溜まりやすい時期です。適度に休憩をとったりストレッチをしたりして、体調を保つことが大切です。
6.十分な勉強時間がとれない
獣医師として働いていると、知識が足りないと感じることは誰しもあります。知識を深めたいと思っても、帰宅時間が遅く、勉強する時間を十分に確保するのが難しいと感じることもあるでしょう。
とくに新人獣医師にとっては、まずは現場でさまざまな症例に触れ、経験を積むことが成長の第一歩です。その中で、少しずつ専門的な知識を深める努力を続けることで、自信がつき、さらなるスキルアップを目指せます。
獣医師が大変な時期を乗り越える4つの方法
獣医師が大変な時期を乗り越える方法は、以下の4つです。
- 上手くできたことに目を向ける
- 上司や先輩獣医師に相談する
- 退勤後はしっかり休養をとる
- 他の職場への転職を考える
- 動物病院のホームページやSNSを確認する
- 動物病院に特化した求人サイトを活用する
- 獣医師の勉強会や懇談会に参加する
- たくさんの動物の命を救える
- 獣医として成長し続けられる
- 安定した収入を得られる
- キャリアの方向性を見直せる
- 給料アップが期待できる
- 新たな人間関係をつくれる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.上手くできたことに目を向ける
獣医師として働き始めた頃は、業務に慣れておらず、思うようにいかないことも多いでしょう。反省することは大切ですが、過度に落ち込みすぎず、上手くできたことにも目を向けましょう。
日々の業務の中で、小さな成功体験を積み重ねることが、モチベーションアップにつながります。たとえば、初めての診察で飼い主から感謝の言葉をもらったり、難しい症例に対して適切な判断ができたといった小さな成功で十分です。
また、少し前の自分と比較することで、成長を実感できることもあるでしょう。以前は不安だった処置が今ではスムーズに行えるようになったり、飼い主とのコミュニケーションが上手くなったりしていることに気づくと、自分の成長を感じられます。
上手くできたことに目を向けて気持ちを切り替え、大変な時期を乗り越えましょう。
2.上司や先輩獣医師に相談する
獣医師の仕事で悩んだときは一人で抱え込まず、上司や先輩獣医師に相談するのも一つの手段です。相談することで、同じような状況をどのように乗り越えたのかアドバイスをもらえます。
また、他者に相談することで新たな視点が得られ、自分では思いつかなかった解決策を発見できるかもしれません。相談しやすい環境を築くためには、日頃から周囲と良好なコミュニケーションを心がけておくことが大切です。
信頼関係を築くことで、より深いアドバイスを得られ、悩みを解消する手助けとなるでしょう。
3.退勤後はしっかり休養をとる
獣医師の仕事は、肉体的にも精神的にも負担が大きい職業です。緊急対応や飼い主とのやりとりなど、さまざまなプレッシャーにさらされるため、退勤後はしっかりと休養をとることも大切です。
食事や睡眠を十分にとり、心身の疲労を癒し、翌日の仕事に備えましょう。質のよい睡眠は集中力や判断力を高め、仕事のパフォーマンス向上につながります。また、リラックスできる時間を持つことで、ストレスを軽減し、心の健康も保てるでしょう。
4.他の職場への転職を考える
現在の職場が合わないと感じている場合は、他の職場へ転職するのも一つの選択肢です。獣医師としてキャリアを積み上げていくためには、自分に合った環境で働くことも重要です。転職活動の際は、希望条件を明確にして求人を探しましょう。
自分に合った動物病院を見つけるコツは以下のとおりです。
まずは、応募先動物病院のホームページやSNSを確認して、院の方針や雰囲気を把握しましょう。また、動物病院に特化した求人サイトを活用することで、希望に合う職場を見つけやすくなります。さらに、獣医師の勉強会や懇談会に参加することで、他の獣医師から求人募集などの情報を得られるかもしれません。
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獣医の仕事の魅力
獣医の仕事は大変なことが多いですが、以下のような魅力もあります。
それぞれ詳しく解説していきます。
1.たくさんの動物の命を救える
獣医の仕事の大きな魅力は、多くの動物の命を救えることです。病気や怪我で苦しむ動物たちに診察や治療を行うことで健康をとり戻す手助けができます。
とくに、重篤な状態から回復して、飼い主の元へ戻っていく姿を見るとき、獣医として大きな喜びとやりがいを感じます。動物と飼い主に笑顔と健康を届けられることは、獣医師ならではの魅力です。
2.獣医として成長し続けられる
経験を重ねることでさまざまな症例に対応できるようになり、自分の成長を実感できることも獣医師の仕事の魅力です。
診療技術を磨くためには、教育担当者からのフィードバックをしっかり受け止め、次に活かすことが大切です。
ただし、教育体制が整っていない職場では、成長を実感できない場合もあります。今の職場では十分な経験が積めないと感じているなら、他の動物病院へ転職するのも一つの方法です。
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3.安定した収入を得られる
獣医師は他の医療職と比べると収入は低めですが、一般の給与所得者よりも収入は高い傾向にあります。
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」統計によると、獣医師の平均年収は685.7万円です。一方で、国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均年収は460万円です。
獣医師は、専門的な知識や技術が必要な獣医療分野において重要な役割を担っており、その分の報酬も期待できます。さらに、動物病院を開業したり、二次診療の動物病院に転職することで、より高い報酬を得られる可能性もあります。
獣医師が他の動物病院に転職するメリット
獣医師が他の動物病院に転職するメリットは、以下の3つです。
それぞれ詳しく解説していきます。
1.キャリアの方向性を見直せる
新卒で就職した動物病院が必ずしも自分に合っているとは限りません。事前に説明会や実習に参加して職場を理解したつもりでも、実際に働き始めるとさまざまな現実が見えてきます。
職場環境や診療方針、対応する症例の幅や深さなど、慣れてくると自分に合わないポイントに気づくこともあるでしょう。自分の適性や目指したいキャリアの方向性に気づいたら、すぐに転職を考えることで早期にキャリアを修正できます。
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2.給料アップが期待できる
他の動物病院に転職することで、今の職場よりも給料が上がる可能性があります。
たとえば、実務経験を積んで専門性や技術が向上すれば、スキルをアピールして現在の職場よりも好条件の動物病院に転職できる可能性があります。
転職活動を始めることで、自分の能力や市場価値を適切に評価してもらえる、理想の職場が見つかるかもしれません。
3.新たな人間関係をつくれる
転職により職場環境が変われば、院長や同僚、スタッフとの新たな出会いが待っています。 もちろん、今の職場で築いた人間関係は大切ですが、もし働きづらいと感じているなら、思い切って職場環境を変えてみるのも一つの手段です。
新しい職場では、さらに良好な人間関係を築ける可能性があります。獣医師専門の転職サイトである「アニマルジョブ」を利用して、自分に合う環境を探してみましょう。
まとめ|獣医師は大変なことが多いが続けていくと成長できる
獣医師の仕事は大変なことが多く、予期せぬ困難に直面して落ち込むこともあります。しかし、治療を通じて動物たちが元気になる姿を見られるのは、何よりの励みとなります。
獣医師の道は決して容易ではありませんが、前向きに業務に取り組み、ときには上司や先輩獣医師に相談することで、少しずつスキルアップできるでしょう。努力を続ければ、理想の獣医師としての道を切り開いていけるはずです。