獣医が動物病院を辞める5つの理由!退職すべきかの判断基準も解説

獣医が動物病院を辞める5つの理由!退職すべきかの判断基準も解説

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「獣医として今よりも待遇のよい動物病院で働きたい」

「とはいえ、本当に辞めていいのか決断ができない」

動物病院で働く獣医師の中には、職場に不満を感じていて転職を検討している方もいるのではないでしょうか。初めて転職する場合、退職の意思を伝えてトラブルにならないか不安になる方も多いはずです。

この記事では、獣医が動物病院を辞める理由や退職すべきかの判断基準について解説しています。退職の流れや辞める理由を伝えるコツも紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

獣医が動物病院を辞める5つの理由

獣医が動物病院を辞める理由は、主に以下の5つです。

  • 労働時間が長く体力的にきつい
  • 給料や待遇に不満がある
  • 職場の人間関係がよくない
  • 教育体制が整っていない
  • プレッシャーに耐えられない

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1.労働時間が長く体力的にきつい

動物病院で働く獣医は、労働時間が長くなりがちです。とくに、休日や夜間に緊急対応を行う病院では、退勤時間が遅くなることがよくあります。そのため、体力的に限界を感じる獣医師もいるでしょう。

獣医は長時間の立ち仕事である上に、大暴れする猫や大型犬の診察を行うこともあるため、体力や気力を消耗します。
また、午前中の診察が長引き、お昼休憩が十分に取れない日もあるでしょう。

この生活が続くと、足腰への負担が増え、健康への影響が懸念されます。このような過酷な労働環境に耐えられず、退職を考える獣医師もいるでしょう。

2.給料や待遇に不満がある

獣医療の専門知識や技術を持ちながらも、給料や待遇に不満を感じて動物病院を辞める獣医師もいます。

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、企業規模10人以上の医療機関で働く医師の平均年収は約1,436.4万円ですが、獣医師は約685.7万円にとどまります。

報酬が責任に見合わず、仕事のモチベーションを失う獣医師もいるでしょう。

なお、動物病院の種類や役職別の給料が知りたい方は「獣医の平均給料は約49万円!年齢別の月収比較や年収を上げる方法を解説」で詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。

3.職場の人間関係がよくない

職場の人間関係が悪化すると、働きづらさやストレスが増し、退職を考える要因になります。
獣医師は基本的に、他の獣医師や動物看護師、事務スタッフと連携しながら業務を進めるため、助け合う雰囲気がなければ、仕事に支障が出るでしょう。

また、職場の居心地が悪くなると、仕事へのモチベーションや情熱が失われ、チーム全体の士気も低下します。その結果、医療サービスの質にも影響を及ぼす可能性があります。良好な人間関係は、獣医師が長く働き続けるための大切な要素です。

4.教育体制が整っていない

獣医が動物病院を辞める理由の一つに、教育体制が整っていないことも挙げられます。

とくに新人や若手獣医師にとって、教育やサポートのない職場は不安を抱えやすいでしょう。また、研修のない職場では最新の医療技術を学ぶ機会が少なく、知識をアップデートできません。

さらに、教育体制が不十分だと、スタッフ間でスキルの差が生じやすく、チームワークにも悪影響を及ぼす可能性があります。改善されない状況が続くと、職場への不満が募り、退職を考える獣医師も出てくるでしょう。

獣医師特化の求人サイト「アニマルジョブ」では、研修制度が充実した動物病院の求人を多数ご用意しています。職場の教育体制に不安がある方は、ぜひアニマルジョブの求人をチェックしてみてください。

5.プレッシャーに耐えられない

強いプレッシャーがかかることも、獣医が動物病院を辞める一因です。とくに重症の動物が運び込まれてきたときは、獣医師の瞬時の判断が動物の命に直結するため、緊張状態が続きます。

過度のプレッシャーは、頭痛や不眠、食欲低下といったストレス反応を引き起こすことがあります。症状が長く続くと、仕事を続けるのが難しくなり、最終的には退職せざるを得ない状況に追い込まれることもあるでしょう。

獣医が動物病院を辞めるべきかの3つの判断基準

獣医が今働いている動物病院を辞めるべきかを判断する基準は、以下の3つです。

  • ストレスで体調を崩している
  • ハラスメントが横行している
  • 今の職場では理想のキャリアを実現できない

これらに当てはまる場合は、退職を考えましょう。

1.ストレスで体調を崩している

ストレスが身体的な症状として表れている場合は、退職や転職を検討しましょう。慢性的な疲労感や不眠、頭痛、胃腸の不調などは、ストレスが原因の可能性があります。また、ストレスが蓄積すると集中力や判断力が低下し、医療ミスを招く場合もあるでしょう。

ストレスを放置すると、体調がさらに悪化し、将来のキャリアにも大きな影響を与える可能性があります。体調不良が続く場合は、健康を最優先に考え、退職や転職を視野に入れることをおすすめします。

2.ハラスメントが横行している

セクハラやパワハラが横行している職場は、すぐに離れることをおすすめします。そのような環境は、組織自体に問題があることが多く、一度根付いてしまったハラスメントの改善は非常に難しいからです。

労働環境の改善が見込めないと感じたら、転職を真剣に検討しましょう。自分の健康を第一に考え、よりよい職場を見つけるために行動しましょう。

3.今の職場では理想のキャリアを実現できない

今の職場で理想のキャリアを実現できないと感じたら、退職を考えるよいタイミングです。目指す方向が異なる職場にい続けると、いつか目標とのズレに悩むことになります。

もし興味のある診療科目がはっきりしているなら、早めに二次診療の動物病院などに転職してキャリアアップを目指せます。専門分野が決まっていない場合でも、研修や勉強会が充実している職場で働くことで、多くの学びの機会を得られるでしょう。

今の職場で働き続けるイメージが持てない場合は、思い切って求人に応募してみましょう。動物病院専門の求人サイト「アニマルジョブ」では、二次診療を担う動物病院の求人も取り扱っています。専門スキルを身につけたい方は、ぜひご利用ください。

獣医が動物病院を退職するまでの流れを4ステップで解説

獣医が動物病院を退職するまでの流れは、以下の4ステップです。

  • ステップ1.辞める理由を徹底的に内省する
  • ステップ2.転職先を見つける
  • ステップ3.退職日を決めて職場に伝える
  • ステップ4.業務の引き継ぎを行う

一つずつ見ていきましょう。

ステップ1.辞める理由を徹底的に内省する

退職を決意する前に、まずは辞める理由を徹底的に内省しましょう。内省とは、自分の思考や感情、行動を振り返り、自己理解を深めることです。

勤務している動物病院の労働条件や職場環境、人間関係などを振り返り、辞めたい根本的な原因を洗い出して、自分の本音と向き合いましょう。

内省の具体的な手順は以下のとおりです。

  • 辞めたいと感じる理由を箇条書きでリストアップする
  • 書き出した理由について「なぜそう感じるのか」を深掘りする
  • すべての理由の重要度を考えて、優先順位をつける

自分の考えを書き出すことで思考が整理され、冷静に状況を把握できます。転職後に同じことで悩まないためにも、まずは内省する時間を確保しましょう。

なお、獣医自体を辞めようか悩んでいる方は「獣医を辞めたいときの対処法を5つ紹介!退職しない方がいいケースも解説」で対処法を解説しているので、ぜひご覧ください。

ステップ2.転職先を見つける

内省を終えたら、獣医師の求人を探して応募しましょう。転職サイトで求人情報を確認し、応募したい動物病院を探しましょう。

求人検索を行う際は、勤務地や業種、雇用形態を絞り込み、さらにフリーワード検索を活用することで、効率的に希望条件の求人を見つけられます。

応募後は、履歴書の提出や面接、実習などの選考が行われます。面接では志望動機と転職理由の2点は必ず問われるので、解答を準備しておきましょう。

動物病院の求人に特化した転職サイト「アニマルジョブ」では、一度に複数の獣医師求人を比較しながら応募先を検討できます。

好条件の求人は公開後すぐに応募が締め切られるケースもあるので、ぜひ積極的にお問い合わせください。

ステップ3.退職日を決めて職場に伝える

転職先が決まったら、退職日を設定し職場に報告しましょう。伝える際は、退職したいという相談の形ではなく、決定事項として報告するのがポイントです。相談のスタンスで申し出ると、引き止められて意思が揺らぐことがあるため注意が必要です。

また、退職日や退職を切り出すタイミングは慎重に決めましょう。とくに、繁忙期の4月〜6月は狂犬病予防接種やフィラリア予防が始まり、動物病院は忙しくなります。業務に影響を与えないためにも、申し出るタイミングや退職日には配慮しましょう。

ステップ4.業務の引き継ぎを行う

最後のステップは、業務の引き継ぎです。引き継ぎは、後任者や残ったスタッフがスムーズに業務を続けるために欠かせません。

具体的には、患者情報や治療計画、業務の手順などを書面やデジタルデータにまとめておくとよいでしょう。引き継ぎを丁寧に行うことで、職場によい印象を残し、退職後も良好な関係を維持できます。

後任者が安心して業務を進められるよう、引き継ぎ忘れがないようにしましょう。

獣医が動物病院を辞める理由をうまく伝えるコツ3選

獣医が動物病院を辞める理由をうまく伝えるコツは、以下の3つです。

  • 前向きな退職理由を伝える
  • 退職の意向は最低でも3~6ヵ月前には伝える
  • 感謝の気持ちを添える

これらを意識して退職の意思を伝え、円満退職を目指しましょう。

1.前向きな退職理由を伝える

退職を申し出るときは、前向きな退職理由を伝えましょう。

「給料が安い」「人間関係に問題がある」といったネガティブな理由は、良い印象を与えず円満な退社が難しくなる可能性があります。

辞める理由がネガティブであっても「二次診療の動物病院で専門性を高めたい」「新たな分野に挑戦したい」といった前向きな理由を伝えるのがおすすめです。

2.退職の意向は最低でも3~6ヵ月前には伝える

退職の意向は、就業規則を確認した上で、少なくとも3~6ヵ月前には伝えましょう。とくに、小規模な動物病院は、後任者の採用を考慮して、十分な時間を確保した方がよいでしょう。

民法第627条によると、基本的に労働者側から2週間前に退職を申し出れば退職できるとされています。

ただし、動物病院の就業規則に退職についての規定があるケースもあるので、事前に確認しておきましょう。円満退職のためにも、職場に配慮したスケジュールを立てるのがコツです。

3.感謝の気持ちを添える

辞める理由を伝えるときは、感謝の気持ちを添えるのもポイントです。感謝を伝えることで、相手への敬意を示せることはもちろん、退職後も良好な関係を維持できます。

獣医療の世界は狭いため、将来再び今の動物病院で働いたり、別の場所で今の同僚と一緒に働いたりする可能性も十分に考えられます。今後のためにも、退職意思を伝えるときは、感謝の気持ちを丁寧に伝えましょう。

まとめ|獣医が動物病院を退職するなら辞める理由を明確にしよう

獣医が動物病院を辞める理由はさまざまです。もし体調不良やハラスメントが原因で限界を迎えているなら、無理せず退職を検討しましょう。ただし、一時的な感情で退職を決めてしまうと、後悔する可能性があるので慎重な判断が必要です。

まずは、なぜ辞めたいのかを内省し、自分の気持ちと向き合いましょう。今の職場の不満点が明確になれば、転職先で同じ失敗を避けられます。自分の将来を見据えて、納得のいく決断をしましょう。

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