動物病院を開業した獣医と勤務医の年収を比較!年収アップの秘訣3選も紹介

動物病院を開業した獣医と勤務医の年収を比較!年収アップの秘訣3選も紹介

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「開業後の獣医師の年収を知りたい」
「将来は獣医師として高収入を得たい」

獣医師として働いている方の中には、将来的に自分の動物病院を開業して年収を上げたいと考える方も多いのではないでしょうか。

そこで気になるのは、開業後の獣医師の年収です。

本記事では、開業した獣医師の年収について詳しく解説しています。また、勤務医との年収比較や、開業前に確認しておきたいこと、成功するためのポイントについてもご紹介します。開業を目指す方はぜひ参考にしてください。

開業後の獣医の平均年収は約800万円

動物病院を開業した獣医と勤務医の年収を比較!年収アップの秘訣3選も紹介

獣医師として動物病院を開業した場合、平均年収は約800万円とされています。しかし、これはあくまでも平均であり、実際の年収は個々の獣医師によって大きく異なります。

年収に影響を与える要因は、以下のとおりです。

・開業する地域
・病院の規模
・専門診療科目
・経営手腕

開業直後は、初期費用や設備投資の負担が大きく、収益が安定するまでに数年かかることも珍しくありません。また、都市部での開業は多くの来院者が見込める一方で、競争が激しく、経営を軌道に乗せるのは容易ではありません。

一方で、病院の規模や立地、提供する医療サービスの内容によっては、高収入が期待できるケースもあります。経営が順調に進めば、開業医として年収1,000万円を超えることも十分に可能です。

開業していない獣医(勤務医)との年収比較

開業していない獣医(勤務医)との年収比較

開業していない獣医(勤務医)は、開業獣医師と比べると、病院や企業からの給与が保証されているため、比較的安定した収入を得られます。

勤務医の獣医師が働く主な職場は以下のとおりです。

・動物病院
・動物園
・製薬会社
・JRA(中央競馬会)

各職場における獣医師の年収について、詳しく見ていきましょう。

動物病院で働く獣医の年収

動物病院で働く獣医師の年収は、平均して400〜600万円程度です。ただし、勤務年数や病院の規模によって年収は変動します。

大規模な病院で働いたり、管理職に就くことで、高収入を目指すことも可能です。また、専門性の高い診療科目を担当する獣医師は、高収入になりやすい傾向があります。

なお、現在の勤務先の待遇に不満がある場合は、他の動物病院への転職を検討することも一つの選択肢です。

業界最大級の獣医師求人サイト「アニマルジョブ」では、2024年9月時点で600件以上の獣医師求人を取り扱っています。全国の獣医師求人を検索できるので、転職を考えている方はぜひご利用ください。

動物園で働く獣医の年収

動物園で働く獣医師の年収は、400〜500万円程度です。年収は動物園の規模や飼育している動物の種類によって異なりますが、一般的に動物病院で働く獣医師と比べてやや低い傾向にあります。

動物園の獣医師は、動物の健康管理だけでなく、飼育環境の整備や繁殖計画など、幅広い業務を担当します。動物園勤務では多種多様な動物の健康管理を行うため、高度な専門知識や技術、スキルが求められるでしょう。

そのため、給与よりも専門性ややりがいを重視する方には適した職場といえます。

製薬会社で働く獣医の年収

製薬会社で働く獣医師の年収は比較的高めの水準で、一般的に700〜900万円程度といわれています。また、管理職に就くことで年収がさらに上がる可能性があります。

製薬会社の獣医師は、動物実験や薬品開発に関わることが多く、臨床経験だけでなく研究開発に関する知識やスキルも必要です。

安定した収入を得たい方や高度なスキルを身につけたい方にとって、製薬会社は非常に魅力的な職場といえるでしょう。

JRA(日本中央競馬会)の獣医職の年収

JRA(日本中央競馬会)に勤務する獣医師は、他の獣医職と比較して非常に高水準で知られています。JRAが公表した「令和5年度の日本中央競馬会の役職員の報酬・給与等について」によると、獣医職種の年収は約1,060万円です。

主な仕事内容は競走馬の健康管理や外傷の治療、伝染病の予防業務などであり、高度な専門知識や技術が求められます。

なお、JRAの獣医職の求人は採用人数が少ないにもかかわらず人気が高く、狭き門といわれています。競馬業界に興味がある方や、高度な医療スキルを身につけたい方は、JRAの獣医職に挑戦するのも一つの選択肢です。

開業を目指す獣医が事前に確認しておくべき3つのポイント

開業を目指す獣医が事前に確認しておくべき3つのポイント

開業を目指す獣医が事前に確認しておくべきポイントは、以下の3つです。

・獣医が開業するのに必要な資金の目安
・獣医が開業するのに適した年齢
・動物病院の開業候補地にある競合病院

それぞれ詳しく解説していきます。

1.獣医が開業するのに必要な資金の目安

動物病院を開業するには、まずは資金の確保が不可欠です。一般的に、開業資金の目安は3,000〜4,500万円とされています。

動物病院の開業には、次のような費用がかかります。

・土地や建物取得費
・内装工事費
・医療設備費
・広告費
・スタッフ採用費
・開業準備費(運転資金など)

土地の購入から始める場合は、数億円かかる場合も珍しくありません。資金調達には金融機関からの借り入れや自治体の助成金を活用できます。ただし、無理のない資金計画を立てることをおすすめします。

また、万が一に備えて、経営が安定するまでの数年間の運転資金も用意しておくとよいでしょう。

2.獣医が開業するのに適した年齢

動物病院を開業するのに適した年齢は、その人を取り巻く状況によって変わるため、一概にはいえませんが、ある程度の臨床経験を積んだ40代以降が理想とされています。

40代は豊富な実務経験を通じて診療スキルが磨かれており、多くの飼い主との信頼関係が築かれていることが多いためです。また、経営に必要な知識や人脈も、ある程度形成されているため、開業に成功しやすいと考えられます。

一方で、若いうちに開業することは、体力があり、新しいことに挑戦する意欲が高いというメリットもあります。しかし、経営経験が浅く、苦労することも多いでしょう。

年齢にとらわれすぎず、経験やスキルを十分に積み重ね、開業に適したタイミングを見極めることが大切です。

20〜30代のうちはいくつかの動物病院で経験を積み、スキルや経営ノウハウを学ぶ時期にあてるのもよいでしょう。

アニマルジョブでは、開業を目指す獣医師を支援する求人も取り扱っています。サポート環境の整った求人はすぐに応募終了となる可能性もあるので、ぜひお早めに求人をチェックしてみてください。

3.動物病院の開業候補地にある競合病院

動物病院を開業する上で、開業候補地にある競合病院は必ず確認しておくべきポイントです。同じエリアにすでに多くの動物病院が存在している場合、新規の開業は厳しい競争にさらされることが予想されます。

とくに、大規模な病院がある地域では、新規参入が難しいケースがあります。そのため、開業を検討している地域の動物病院の数や評判を徹底的に調査し、競合が少なくペットの飼育数が多いエリアを選ぶことが開業成功の秘訣です。

また、競合病院との差別化を図ることも重要です。たとえば、エキゾチックアニマルなど犬猫以外の特殊なペットも対応可能にする方法などがあります。

動物病院の開業については「動物病院を開業するという夢を実現させるために大切なこと」でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

獣医が開業して年収アップさせる秘訣3選

獣医が開業して年収アップさせる秘訣3選

獣医が開業して年収をアップさせる秘訣は、以下の3つです。

・専門分野に特化して差別化を図る
・来院者と信頼関係を築いてリピート率を高める
・承継開業を検討する

それぞれ詳しく解説していきます。

1.専門分野に特化して差別化を図る

動物病院を開業し、安定した収入を得るためには、他の動物病院との差別化が重要です。そのために有効なのが、特定の専門分野に特化することです。

たとえば、以下の分野に特化することで、他の動物病院との差別化が図れます。

・眼科
・皮膚科
・腫瘍科
・外科手術

高度な医療技術を要する分野に特化することで、専門的な治療を求める飼い主からの信頼を得られるでしょう。結果的に来院者数が増加し、収益アップにつながる可能性があります。また、地域の他の動物病院から紹介してもらえる機会も増えるでしょう。

2.来院者と信頼関係を築いてリピート率を高める

獣医が動物病院を開業するにあたって、来院者との信頼関係を築くことも長期的な収益向上に不可欠です。

ペットは、飼い主にとって家族同然の存在です。そのため、愛するペットの治療を任せる相手に対して、高い安心感を求める傾向にあります。

丁寧な説明や迅速な対応、アフターフォローを徹底することで、来院者の満足度が高まり、リピーターが増えるでしょう。リピート率が高まれば、安定した収益基盤を築くことが可能です。

また、リピーターとなった飼い主が、他の飼い主に動物病院を紹介してくれる可能性も高まります。口コミによる紹介は、新規顧客獲得に非常に効果的です。

3.承継開業を検討する

動物病院を新規で立ち上げる代わりに、既存の病院を承継することも一つの方法です。承継開業とは、すでに開業している動物病院を引き継ぐことを指します。

承継開業であれば、すでに一定の顧客基盤があるため、ゼロからの集客活動を行う必要がありません。また、医療設備やスタッフを引き継ぐことが可能なケースが多く、新規開業と比べて初期投資を抑えることが可能です。

事前に承継先の評判や顧客層を確認しておくことで、戦略的な経営が可能となり、開業失敗のリスクを最小限に抑えつつ、早期に収益アップを目指せるでしょう。

獣医が開業せずに年収を上げる方法

獣医が開業せずに年収を上げる方法

結論からいうと、「給与水準の高い動物病院に転職する」のが獣医が開業せずに年収を上げる最適な方法です。動物病院の勤務医の給与は、その病院の規模や所在地、専門性によって大きく異なります。

たとえば、競合が少なく来院者の多い施設や高度な医療技術を提供する施設は、給与が高めに設定されている可能性があります。自身のスキルや経験を活かせる病院に転職することで、年収アップを実現できるでしょう。

なお「獣医師の求人がなかなか見つからない」と悩んでいる方には、獣医師に特化した求人サイト「アニマルジョブ」の利用がおすすめです。

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獣医が開業を成功させるには独立支援がある動物病院に転職がおすすめ

獣医が開業を成功させるには独立支援がある動物病院に転職がおすすめ

獣医が開業を成功させるためには、開業する前に独立支援がある動物病院に転職することをおすすめします。そのメリットは主に以下の3つです。

・動物病院でスキルアップし経験を積める
・経営に関するノウハウを身につけられる
・開業資金を貯められる

独立支援がある動物病院に勤務することで、幅広い症例の診療や手術に対応できるスキルを養えます。また、病院経営に必要な人材管理やマーケティングのノウハウを学べることも大きなメリットです。

さらに、安定した収入を得ながら開業資金を貯められるので、リスクを軽減しつつ開業に向けた準備を進められるでしょう。

独立支援のある動物病院に転職することで、スキルアップや経営ノウハウの習得、開業資金の確保が可能となり、開業への道が開かれます。

動物病院の求人が豊富なアニマルジョブでは、独立支援のある求人も取り扱っています。また、働きながら認定医や学位を取得できるキャリア支援を行っている動物病院もあるため、開業を考えている方はぜひご利用ください。

獣医が動物病院への転職を成功させる方法については「獣医が転職を成功させる方法・考え方|執刀数・年収アップ・復職の転職ガイド」で詳しく解説しているため、合わせてご覧ください。

まとめ|開業獣医師は経営次第で高年収を目指せる

まとめ|開業獣医師は経営次第で高年収を目指せる

開業後の獣医の平均年収は約800万円です。ただし、経営状況によって年収は大きく変動します。獣医師として動物病院を開業するのは、年収を大幅に増やすチャンスを得る一方で、経営能力が問われる挑戦でもあります。

開業を成功させて高収入を得るためには、専門性を活かして差別化を図ることや、顧客との信頼関係を築いてリピーターを増やすことが重要です。また、承継開業を検討することもリスクを軽減しつつ高収入を得る手段の一つです。

開業には豊富な実務経験やスキル、適切なタイミングの判断が必要ですが、計画的に準備することで高年収を実現できるでしょう。

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